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陸八魔アル

出航よ～～～～～～～！！！

陸八魔アル

「……！？　り、立食パーティ……！
　事務所のほかのみんなは仕事だし……これもアウトローの勉強になるかも……だし……
　……あ、あとでタッパーに詰めて持って帰るから！」

陸八魔アル

陸八魔アルは困窮していた。
日々一人前のラーメンを4人で分けるほどには困窮していた。

陸八魔アル

なので両手いっぱいとリュックサックいっぱいにタッパーを詰め込んで向かった。
クソ重たかったが移動費も節約したかった。というかない。

陸八魔アル

そのまま会場にレッツゴーよ！

陸八魔アル

「へえ～、立派なお屋敷ねえ
　じゃない！……私を呼んでくれた場所だもの、これくらいの敷居がなくっちゃ……あら？」

陸八魔アル

そっちに目を向けるわ

陸八魔アル

「うひゃあ！？？！？！？？！？！？！？？！？！」

陸八魔アル

鳥に運ばれた人が落ちてきた。
……だ、大丈夫なのかしら…………？

陸八魔アル

「あ、え、えっと……
　……あなたが私を……いや、私たちを呼んでくれたのよね？」
他の面々を見て

陸八魔アル

な、なんか手を振ってる人いる……ふ、振り返しておこうかしら。

陸八魔アル

「あっ、これはどうも丁寧に……
　……フッ、便利屋68の用命だったかしら？
　それにしても、なんで私たちが招待に？あなたとは……面識がないように思えないけど……」

陸八魔アル

「！？？！？！？！？！？？！？！？！？！？！？！」

陸八魔アル

目の前の人が……瞬間移動した！！！！！

陸八魔アル

「えっあの、だ、大丈夫…………？！」
ウタに声を掛けようとするも。

陸八魔アル

す、すっごい定型文で返された……！？？

陸八魔アル

「？？！？！？？！？！？！？！？！？！」

陸八魔アル

手…………ないじゃない！！！！！！

陸八魔アル

その顛末をドキドキと見てた。
ただ何だか無事に収まったようなので、そそくさと館へと入っていく。

陸八魔アル

きょろきょろと当たりを見回す。
どうやら1階は平凡そうに思える。

陸八魔アル

「あら……それでいいのかしら？
　アウトローの勘ではね……ダメと言われたものほど、何かを隠しているのよ！」

陸八魔アル

といってずかずかと2階に上がろうとした際に、ぼろっちい端末が鳴る。

陸八魔アル

あれ……？この人って誰……？
い、いやでもこれ……この情報は2階ってことは……手を振ってたあの人……なのかな？

陸八魔アル

「……なるほど、ね……
　入るのがダメなら、それを人に言われる前に行動すると
　中々アウトローな男ね」

陸八魔アル

うんうん、とまだ手を振って蹴られていた様子しか見たことない男に頷きつつ。

陸八魔アル

「……！？
　そ、それってどういう……この館が危ない、ってこと……！？」

陸八魔アル

「…………っ……！」

陸八魔アル

食べられるだけ……食品のポテトが言うなら、全うな発言だ。
いや食べられるのが普通じゃないのかしら……？

陸八魔アル

「……！　あ、ありがとう……！？　！！！！」
今日のみんなの晩御飯にしましょう……！！

陸八魔アル

ともかく、私もこれっぽっちで終わりたくない。
アウトローも食べ物も何も、私は得られてないのよ……！ここで引き下がって、なにが便利屋68なの……！

陸八魔アル

カツ、カツ────
ハイヒールを凄い鳴らして2階に上がる。

陸八魔アル

「……わっ？！！？？！？！？！」
こ、ここの人たちは……みんな瞬間移動してくるわね……！！！

陸八魔アル

「あ、ああ……貴方。
　……初めまして、よね？それは……何かしら」

陸八魔アル

動揺を隠すように慌てて前髪をファサってやりつつ。

陸八魔アル

「────！」
そこを突かれると、アルは面白い位反応した。

陸八魔アル

「ええ……陸八魔アル。アウトローを目指すもの。
　……ということは、それがその原因の箱────」

陸八魔アル

「おわァアアアアアア～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～」

陸八魔アル

あまりの勢いに髪とか服とかが風圧で吹き飛ばされそうになるも。

陸八魔アル

「あ、あなた……あんな硬そうな物を開けるなんて……
　大したアウトローじゃない……」

陸八魔アル

慌てて髪を直しながらも、箱に目をやる。

陸八魔アル

「あっ、ご、ごめんなさい…！」
ぺこぺこ平謝りしてる。

陸八魔アル

「な、な、なっ………
　なんですってえぇ～～～～～～～～～～！？！？！？！？」

陸八魔アル

ビックリしながらも、頷いて。

陸八魔アル

玄関の扉を開くが────

陸八魔アル

CCB<=45 (1D100<=45) ＞ 71 ＞ 失敗

陸八魔アル

1d6 (1D6) ＞ 6

陸八魔アル

CCB<=65 (1D100<=65) ＞ 56 ＞ 成功

陸八魔アル

…………！！！

陸八魔アル

ぽ、ポンコツ！ポンコツで失敗にするわ！！

陸八魔アル

CCB<=99　ポンコツ (1D100<=99) ＞ 97 ＞ 成功

陸八魔アル

こわ……

陸八魔アル

「…………っ！！！！」

陸八魔アル

一歩踏み出せば────落ちていた。
小さく遠く光る青い星が一つ、そして暗黒が広がるこの宇宙に。

陸八魔アル

「……ぁ、ありがとう………」

陸八魔アル

掴んでくれた五ェ門に、ぺこっ、と感謝を伝えつつも。

陸八魔アル

ポンコツなので、なんで宇宙的恐怖は感じなかった。
それがある意味正解だったかもしれない。

陸八魔アル

それは……最もだ。
アウトロー同士の戦いは、お互いを術中に嵌める事から始まる。
彼の掌の上なのは……私たちの方。

陸八魔アル

「ええ、ええ……聞かせてもらいましょうか。
　私たちをここまで連れてきた理由を」

陸八魔アル

立食パーティーのご飯をタッパーに詰め込みながら話を聞く体制になる。

陸八魔アル

「人間を手に入れる……難儀……？
　え、えっと……もし手に入れたらどうなるのかしら？」

陸八魔アル

何だか物騒なワードが口から出ているので、少し不安になったが。

陸八魔アル

「……え゛っ……！？？！」

陸八魔アル

戻せないとか、実験材料とか、さらに不穏に聞こえる。

陸八魔アル

何だかこの状況への怖さとか、色々怖いので縮こまっていたが、おだっちの声にへっ…！？と反応し。

陸八魔アル

こくり、とポテトに続いて頷く。

陸八魔アル

「……叶えたい夢？それって……どういう……」

陸八魔アル

すると何だか、彼女の雰囲気が……どんどん変わっていくように思える。
節々から感じられる、邪悪さはまさしく────呪文。

陸八魔アル

「…………ッ……う、うん！」

陸八魔アル

いわれた通り、バッと耳を塞ぐ。

陸八魔アル

「…………え、ええっ……！！？
　……もしかして、あれは……あなたが……！？」

陸八魔アル

歌うのが止まった瞬間動いた体に、思わずウタに目を向けて。

陸八魔アル

「…………」
ごくり、と息を呑む。
本当なら、凄い事だ。歌を聞いただけで相手を操れる……なんて。

陸八魔アル

「……でも、それ……貴女は平気なの？
　見るからに、気分悪そうじゃない……」

陸八魔アル

「…………ッ……！」

陸八魔アル

たらりと冷や汗が流れる。

陸八魔アル

それじゃあ……この子は、自分の命を賭けてまで……私たちを地球に返そうとしてくれたの？
……見ず知らず、さっきであったばっかりなのに……！

陸八魔アル

「ど、どうしてここまで……私たちは、ただ集められただけの間柄……なのに……！」

陸八魔アル

それに、とポテトに頷く。
……全員知らない。だからといって、ここにいる全員が、彼女を見捨てようと思うわけでもない。

陸八魔アル

「…………っ……！」
彼女は……優しいんでしょう。こうして身を投げ出して、人のために命を使えるのだから。

陸八魔アル

「……そんなの……ダメよ！」

陸八魔アル

……でも……その命が使われるのを、ただ見ているのは……
アウトローらしく……ないわ！

陸八魔アル

「あなたの夢は、あなた自身の手で叶えないと……！
　だって、それを叶えたのを見れるのは、あなただけだもの！」

陸八魔アル

ヒュッ！と、その声に息が漏れる。

陸八魔アル

「……いいわよ！！！」

陸八魔アル

ガシっと肩を掴んで、ウタの瞳に言葉をかける。

陸八魔アル

「ここには侍も、ポテトも、解説する人も、将軍も、アウトローも……
　そしてあなたもいるんだもの！」

陸八魔アル

「これだけのメンバーがいて、どーーして帰れないと思うのよ！
　不安だっていうなら、このアウトローがあなたが寝てる間に、全部片してあげるわ！！！」

陸八魔アル

「……もしダメでも、その時は元々と変わらないだけよ」

陸八魔アル

「………………っ……！」

陸八魔アル

この子の想いは……やらなきゃいけない、強迫観念に駆られたからこそ。
……口からこぼれる悲痛さは、それを物語っており。

陸八魔アル

「…………そうね。……私には、出来ないかもしれない
　あなたは凄い歌手だもの、アウトローとは全く別次元の存在」

陸八魔アル

「……あなたみたいにすごい力があるわけでもないし、歌が上手いわけでもない
　私だけのものなんて、一つもないわ」

陸八魔アル

肩を掴む力が、弱弱しくなりながらも。

陸八魔アル

「でもね、私……陸八魔アルはね、アウトローなの
　出来ないかもしれない、で……目の前の命を捨てるなんて真似、アウトローじゃないし……それに…………」

陸八魔アル

「…………ただ、あなたに死んでほしくないわ
　そのためなら、私は何だって賭けてみせる」

陸八魔アル

そして、近くにあったポテトを握り、ウタにぎゅっと握らせるように。

陸八魔アル

その言葉に、フッ、と笑い。
ひらり────マントを翻し、まるで「当然よ」と言うような顔で答えた。